ナイトキャップは厳禁? 目覚めに飲むべきは〇〇水? 睡眠と水分の意外な関係
「スッキリ目覚めて、ぐっすり眠るための、朝晩の水分の摂り方についてお教えしましょう」と語るのは、ハーバード大学医学部教授の根来秀行さん。専門は内科学、睡眠医学、腎臓病学、抗加齢医学、など多岐にわたり、世界的に活躍する医学博士だ。
「睡眠中は多くの汗をかき、呼吸や皮膚からも水分が蒸発しています。そのため、目覚めの体は水分をとても必要としているんですね。まずは、これを補うために、朝起きたら、コップ1杯の水を飲むといいです。細胞が活性化されますよ。また、目覚めた時の体はデトックスモードになっているのですが、水を飲むことで胃腸への刺激にもなり、排尿・排便が促進されます」
根来教授によれば、目覚めにおすすめなのは「炭酸水」だそうだ。
「胃を刺激して胃酸を出し、胃腸の働きを整える作用があるので、目覚めの水に向いています」
逆に、寝つきがよくなるとされる晩の「ナイトキャップ」はよくないそう。
「お酒を飲むと一見眠りに誘われる感じがしますが、それはレム睡眠の浅い眠りで、本当に必要なノンレム睡眠の深い眠りには至らないんです。さらに飲み過ぎた場合は、脳が興奮状態になり、それに伴い脈拍数が上がって、どんどん眠りが浅くなってしまいます。
寝る前にお酒が体に入ると、睡眠中に肝臓をはじめ、消化器系の臓器がアルコール分解のためにフル稼働になり、体が全く休まりせん。脳も体も回復することなく翌日を迎え、アンチエイジングホルモンの分泌も減ってしまいます」
さらに就寝前にアルコールを摂取すると、舌やのどを支えている筋肉を弛緩させてしまう。すると、舌のつけ根がのどの方に落ち込んで、いびきや無呼吸状態を引き起こすこともあるそうだ。
「ストレス発散に適量のアルコールを飲むことはかまいませんが、それはディナーの時にとどめたほうがいいですね。コーヒーや紅茶なども、カフェインがメラトニンの分泌を抑えるので、夜飲むと睡眠の妨げになります。就寝前は、鎮静効果のあるカルシウムを多く含む硬水がおすすめ。緊張や不安を和らげるカモミールティーやホットミルクもいいでしょう」
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